逆流性食道炎の検査はどういうことをするのか?

 逆流性食道炎は簡単にいえば本来ならば食べ物や飲み物を胃に向かって通す役割のある食道になんらかの理由により、胃酸が逆流してしまうという病気です。原因はストレスや胃酸が過剰に分泌されてしまったこと、下部食道括約筋という食道と胃の間にある括約筋がゆるんでしまっていることなどがあげられます。

 

 また食事なども関係している場合もあります。脂肪やたんぱく質の多い食事や食べ過ぎてしまった時などは逆流性食道炎になってしまうことがあります。加齢や肥満なども関係しています。症状として主なものは胸やけです。またこの胸やけが夜眠る時に起きてしまい、その不快感から眠れなくなってしまうという人も少なくありません。不眠症になってしまうと疲労回復をしにくくなりますし、体力も戻らないのでイライラしがちになります。するとストレスがたまり、逆流性食道炎が悪化するという悪循環となってしまいます。そのため、不眠症を併発してしまった場合にはなるべく早く元の原因である逆流性食道炎を改善する必要があります。

 

 それでは逆流性食道炎であるかどうかということはどうやって検査するのでしょうか。病院へ行くとまず問診から始まります。そして正確に診断するためには胃カメラつまり内視鏡検査を行います。胃カメラを使うのは胃の粘膜がただれていないか、潰瘍がないかなどをチェックするためです。胃カメラを使っても判断が難しい場合にはその部分の組織を採取し、改めて検査へ出すこともあります。

 

 しかし胃カメラをしても逆流性食道炎の症状があるのにただれなどが見つからない場合があります。このNERDという呼び方をされており、胃カメラだけでは判断がつきにくいことがあるため、そういう時には24時間携帯式の記録装置を使って胃と食道内部の酸度をチェックするphモニタリング検査を行います。NERDの原因は胃酸が少し逆流しただけでも症状が出てしまう食道の粘膜の知覚過敏ではないかといわれています。

 

 他には上部消化管エックス線検査もあります。これはその名の通りエックス線を使う検査方法で、いわゆるバリウムと呼ばれる乳化剤を飲んでテレビモニターで観察しながらエックス線撮影をします。下部食道括約筋が緩んでしまっているかどうかを調べることができます。バリウムを飲み、さらに発泡剤をで胃をふくらませて撮影をしますので、胃壁などに何か変化がある時には早い段階で発見することができるのが良いところです。この方法は特に逆流性食道炎が重症化してしまっている時には状態がわかりやすいため、よく行われます。

 

 胸焼け程度だから病院へ行く必要なんてないと軽く考えている方も多いのですが、実はこの病気のやっかいなところはずっと放置して何度も胃酸の逆流を繰り返していることで食道の粘膜がただれてしまい、さらに悪化して食道ガンへとつながってしまう恐れがあるということなのです。用心のために、たいしたことないだろうという症状だったとしても早めに医療機関で診察してもらうほうが良いでしょう。ひどくなった場合には手術になってしまうこともありますから、そうなってからでは費用もかかりますし、全身麻酔をしての手術なので入院もしなくてはいけません。体調が元通りになるまでも時間が必要となってしまいます。

 

 一般的にはほとんどの逆流性食道炎は内服薬などで治すことができますから、症状が軽いうちに治療開始したほうが良いです。胃カメラが苦手という方はやはり多いですが、前もって相談してみるとなんらかの対処をしてもらうことも可能です。胃カメラはなかなか入らないという方もいますので、経験豊富な病院へ行くのがおすすめです。

逆流性食道炎の治し方はほとんどの場合内服薬となる

 逆流性食道炎になってしまうとどういう治し方になるのだろうと気になる方もたくさんいるのではないでしょうか。治し方はシンプルで、内服薬となることがほとんどです。そして生活習慣の改善も同時に行います。例えば肥満の方は腹圧によって胃酸が逆流しやすいという結果も出ていますのでやせるように無理のない程度でダイエットをしたり、食事内容を見直す努力をします。寝る前には食べ物を食べないということや枕を少しだけ高めにしておくことでも胃酸の逆流防止になります。

 

 内服薬は2種類がよく出されており、ヒスタミン受容体拮抗薬と、プロトンポンプ阻害薬になります。どちらかといえばプロトンポンプ阻害薬のほうが胃酸を抑える力が強力なので、こちらの薬が処方されることが多いです。もし内服薬を数週間使用しても症状が変わらないか悪化しているようであれば手術が行われることもあります。手術はニッセン法がよく行われている安全な方法で、胃を食道に360度巻きつけて噴門を形成します。逆流防止の効果は極めて優れているとされていますが、術後の2、3週間ほどはつかえ感を感じることがあります。

 

 逆流性食道炎は治療をしても何度も繰り返してしまう可能性がある病気なので、根本的な改善が必要となります。例えば猫背にならないようにするというのも大事なことです。猫背の人は胃酸が逆流しやすいので、できるだけ背筋をぴんとまっすぐにのばしておくことを心がけます。そして食べ過ぎないようにすることです。特に脂肪の多いもの、揚げ物などは胸焼けを起こしやすいですから食べ過ぎないようにしましょう。そして胸焼けした時に食べたものを記録しておいて、それをあまり食べないようにするというのも一つの方法です。同じ逆流性食道炎であっても胸焼けを起こす原因となったものはその人によって違うのです。

 

 そして現代はストレス社会といわれていますが、ストレスが過度になってしまうと消化管の動きが制限されてしまうため、胃酸の逆流が起きやすくなります。そして飲み物ではアルコール飲料は胃の入り口をゆるめてしまい、炭酸などはおなかがふくらみますので胃酸の逆流がしやすくなります。

 

 そして服装は体をしめつけ過ぎないものを身につけておくのが良いです。きつい服を着て食事を満腹になるまで食べると食べ物はいくスペースがないので上のほうへと圧迫がかけられます。これによって横隔膜が伸びてしまうので結果的に胃が横から締め付けられることとなり、胃酸の逆流が起きてしまうのです。

 

 あまりに胸焼けがひどい時は無理のない程度に運動をするのも効果的です。例えばウォーキングでも良いのです。汗をかくことで体全体のphバランスが変わり、胃酸が分泌される量が抑制されます。また運動は姿勢を改善したりする効果もありますし、消化管の蠕動運動が活発になりますので胃液が小腸のほうへと移動しやすくなります。

 

 どういう方法で治療を行うのかというのはその担当医師と相談しながら決めていくことになりますが、再発をしないようにするためには自分で勝手に治療をやめてしまわないようにすることが大事です。どんな病気でもそうですが、症状が出なくなったからといって勝手に薬を飲むのをやめてしまった結果、再発して逆に症状がひどくなってしまったということもあるからです。胃カメラで撮影してみると症状が全く出ない方であっても逆流性食道炎自体は治っていなかったということが少なくありません。せっかく改善してきているのですから、きちんと最後まで薬を飲み、医師と相談しながら完治するように頑張りましょう。生活を見直すことで生活習慣病の予防にもなります。